一スピリチュアリストの声

10年前からスピリチュアリズムを学んでいます。まだ学びの途中でありますが、これまでに学んだこと、経験をふまえて綴ってまいります。                                                                                    

一瞬の地上人生~されど大切な人生

f:id:gsirakaba:20200422161523p:plain地上人生とはいかにあるべきか、について考えます。

一瞬の地上人生ではあるが、大切な地上人生です。ですから、地上人生を真剣に大切に生きなければなりません。地上での出来事に無関心であってはならないのです。今苦しんでいる人に関心を向けなさい、そうして真に苦しんでいる人が問題を自分で解決するように手助けしてあげなさい、ということになると思います。

その人がその苦しみを自身の霊的成長の糧にするように手助けするということであります。ゆえに無暗に何でもかでも、助けるということは避けなければならないということになります。その苦しみがその人自身の霊的成長に必要なことであるなら、なにも手助けはせずに見守ることが必要ということになるのです。その苦しみはその人にとって必要なのです。
なにもせずに見守る、ということは見守る人にとっては辛いこと、苦しいことです。つまり共に苦しみを体験するということなのです。そうした苦しみについてはシルバーバーチも体験したことを述べています。

『時々、私は涙を流すことがあります。救いの手を差し伸べてはいけないことが分かっているからです。それが摂理だからです。その時の私の苦痛は、苦しんでいる本人よりも大きいことを知ってください 』 シルバーバーチの教え(上)P 102

このブログでも少し前に触れましたが、日本スピリチュアル・ヒーラーグループではスピリット・ヒーリングを行っています。そこでのスピリット・ヒーリングの目的を説明している文章の一部を以下に記します。
『"ヒーリング”という名称から人々は、病気治しが「スピリット・ヒーリング」の目的であると思っていますが、本当はそれが目的ではありません。もちろん霊医たちの心は、地上人の苦痛を取り除いてやりたいという愛の思いに満ちていますが、スピリット・ヒーリングの最終目的は、地上人の“霊的救い・魂の癒し”にあるのです。ヒーリングを通して、地上人の「霊的無知」という“魂の病気”を直そうとしているのです。』
この説明は、病気治しが主眼ではないと述べているのです。驚くことに病気は治っても治らなくてもどちらでも良い、というのです。魂の病気を治すことを目的としているというのです。

ここで目を転じて、現代西洋医学を見てみましょう。ここでは、病気を治すことはできておりません。驚かれるでしょうが本当のことなのです。
高血圧症や糖尿病という国民病ともいえる病気について、医師は薬を飲み続けてください、と言います。治りましたから薬は止めましょう、とはほとんどなりません。これは病気を治したことにはなりません。

現代西洋医学では、病気を治すことができないのです。かくも無力な状況にあります。病気が治るということは,もう病院へは行かなくても良い状態になることを言います。ただ症状を薬で抑える為に一生病院通いを続けるだけです。ほかの病気でも状況は同じです。風邪が治った、病気が治ったとしにたら、それは病院が、医師が、薬が治したのではなく、患者本人の備えている力が直したのです。その力とは規則正しい生活、すなわち適切な休養・運動、そして栄養と正しい心の持ち方などの本人の努力の成果なのです。病気は自分自身が治しているのです。

 発展途上国の多くの人々が貧困で飢餓に苦しんでいます。そこで食べ物を与えたとします。それはそれで、その時の命は救われます。しかし、それは一時の解決策であり真の問題解決にはなりえません。
一時的救済と同時に、再び飢えに瀕することから脱却する手助けをしなければならないのです。それはどのようにすれば良いのでしょうか?
貧困・格差、あるいは戦争・紛争はどうして生じるのか、これを明らかにしなければなりません。これらは個人が、国家が、“己が第一”という利己主義から脱却することで解決します。世界同胞みな兄弟であることに気づくことです。
自分や自分に与する者のみを大切にすることから脱却するのです。実に簡単な事なのです。それを人間は難しいことにしてしまいます。ただ欲張らなければよいのです。お金がそんなに大切ですか?物もそんなに沢山必要ですか?地位、名声、権力を欲しがることを卒業することです。
お金も物も、それらはべて一時的な意味でしかありません。人間は死後も生き続ける永遠の存在であるからには、そうした一時的な目に見える物に執着することで大切な地上人生を費やすことは無意味なことなのです。地上人生は永遠に続く霊界生活のための準備期間ですから、もっと大切なことに意識を向けてまいりたいものです。未熟者である自分ですが、そのことをいつも思い出すように気を付けています。

21世紀の現在、「霊的真理」がすでに高級霊界からこの地上世界に降ろされています。指針は示されているのです。本来ならば人類はその指針に沿った、摂理に一致した生き方をするべきなのです。しかし、すでに述べたように地上は悲惨な状況が展開されています。
悲しいことに、私達の地球にはまだまだ識字率の低い地域が数多く存在します。2015年、読み書きのできない大人は約7億8100万人という報告があります。また、その日の食糧にも事欠く人たちは2018年、8億2100万人(国連による報告)とあります。身を横たえる家もなく路上や野外で夜を過ごす人たち、劣悪な衛生状態の中で死んでゆく人々。これらの人々には霊的な成長を説いている暇はないのです。指針を指し示しても、そうした歩みがまるでできないのです。恩恵に与ることができないのです。今すぐに活用できる具体的な支援が必要なのです。高次の真理を示しても、受け付けられないのです。

繰り返します。こうした悲しむべき問題の根本的解決にはどうしたらよいでしょうか。一言で言うなら、世界に巣くう利己主義をなくし、利他愛に生きるようにすればよいのです。真の解決にはそれ以外にはありえません。これがこれまでに私が学んだ真理が教えるところです。
世界が利他愛に生きにるには、5年や10年でできるようなことではなく、何百年もあるいは1000年をも要することになるかもしれません。だからと言って何もせず手をこまねいていてはいけないのです。
こうした地道な具体的、物質的援助だけに終始するのではなく、一歩進んだ人たちに向け、霊的真理の普及を同時に進めることが求められています。具体的な物質的援助はやろうと思えば多くの人たちにも可能です。しかし、霊的真理の普及は先に霊的真理に導かれた者にしかできません。そしてそれがその者の使命でありましょう。

シルバーバーチが60年間、霊界通信を通して語り続けてきた「シルバーバーチの霊訓」は人類に是非とも必要な教えを網羅しています。
地上人の近視眼的視野では得られない、これまでの人類に欠けていた、無視してきた膨大な量の叡智が収められています。まさに人類に与えられた宝といえます。

この度の人類が向き合わされているコロナウイルスという災厄も、まさに大きな試練なのだろうと思われます。是非とも、互いに非難しあうのではなく、助け合って叡智を求めて乗り越え、さらに世界の平和へと転換させてまいりたいと思います。