一スピリチュアリストの声

10年前からスピリチュアリズムを学んでいます。まだ学びの途中でありますが、これまでに学んだこと、経験をふまえて綴ってまいります。                                                                                    

無明の闇からの脱却

f:id:gsirakaba:20200616164317p:plain

小樽の海

 地上人生にはどうしてこのように悲劇、悲しみ、絶望が渦巻いているのでしょうか。
私たち人類は平和を希求してきたはずです。喜びを得ようとしてきたはずです。真の幸せを願ってきたはずです。それなのに何故にこんなにも願いと現実とが乖離しているのでしょうか?この事実を私達人類は長い歴史の中で、真剣に考えて来たでしょうか?疑問に感じなかったのでしょうか?何を学んできたのでしょうか?
歴史上には人間とこの宇宙に関して真摯に探究してきた人物は存在してきました。それは広く多くの分野におよびます。歴史家、科学者、宗教家、哲学者、教育者、思想家。

歴史の一点に誕生した私自身はどう感じて来たのか。それを振り返ってみます。

私は77年前にこの地上に誕生しました。時は第二次世界大戦最中で首都東京の下町でした。東京大空襲に見舞われました。その時の死者数は10万人と言われています。私はそこで辛うじて生き延びることが出来ました。被災後間もなく一家は親族を頼って北海道に暮らすこととなりました。

他の多くの国民と同様に、戦後の生活はいかにして生き延びるかであり、人間としての高尚な部分などは全く隅に追いやられて、生きることに精いっぱいで動物に近い状況でした。親はそうして子供たちを育てましたから、幼少のころから私は人間とはそのようなもの、と理解してきたように思います。(しかし、こうした体験は動植物とともに在る、自然との共生という存在の最も根源に関する貴重な体験となったと思います。)ただ、幼いながらも今は敗戦後という特殊な状況にある、という認識はあったように思います。

自分がどのように育てられてきたかによって、その人間が出来上がってゆきます。遺伝的要素がその人間を構成してゆくと言うことも事実ですが、それはある程度であり、環境による影響がその人を作る、というのが本当でしょう。
人間は自分の考え方が環境によって大きく影響されてきてしまうのです。人は自分の考えと思っていても、実は周りの、地域社会の、国の、あるいはグローバル化されている現在ではそこで喧伝されていることと自分が同化されてしまいます。人間社会を覆っている金銭欲、物欲、利己主義、争い、欺瞞。その姿が人間である、と信じているのかもしれません。あえて、美なるのも、真実、善なるものを求めない、また、幸せは求めても叶えられない、という諦めの思いが強く人々の心に浸透してしまっているように思います。今さえ良ければそれで良し、お金と美味しいものがあれば其れで良い、といように刹那的な快楽を求めていきます。

人間は己の置かれた環境の中で、得られた知識という限界の中でもがき苦しみながら生きてきたのです。“人間など所詮こんなもの”と考え、自分を納得させてきました。

人間の多くはこうした諦めの中に生き、そして死んでいきました。それでも心底から諦めてしまうことはできなできませんでした。

  • 人間とはいかなる存在か?
  • 何ゆえにこの地上に生まれてきたのか?
  • そして何処へ行くのか?

こうした疑問はどんなに自分自身をごまかしても、完全に打ち消すことは出来ませんでした。そうして、このことを知らない故に、人間は不幸・混乱から抜け出せなくなっているのです。知らなすぎ、無知の深淵にあるのです。
 たったの3つの項目でありますが、この内容は深く且つ膨大です。

長い歴史を掛けて我々人類は少しずつ進化してきました。残虐さはまだまだありますが、民主主義が世界に浸透し、中世の暗黒時代からはほんの少しマシになったといえるでしょう。
そして過去には知りえなかった真実が幾らかずつ理解できるようになったのです。
求める者には真理の宝庫の鍵が与えられます。どのような人物に対してもこの法則は適応されます。学びは少しずつ、着実に進めてゆけば良いでしょう。

「人間の魂には宇宙最大の富が宿されているのです。あなたがた一人ひとりが神の一部を構成しているのです。地上のいかなる富も財産もその霊の宝にまさるものはありません。私どもはあなたがたに内在するその金鉱を掘り起こすことをお教えしているのです。人間的煩悩の土塊の中に埋もれた霊のダイアモンドをお見せしようとしているのです。」      [シルバーバーチの霊訓」(四) p15 スピリチュリズム普及会版   

 ご存じの方もおられると思いますが、上記の文節はスピリチュアリズムを地上にもたらす為に、シルバーバーチと名乗る霊が交霊会で語った一部です。

 続いて同じページの次の言葉はいつも私を勇気付けてくれます。

「できるだけ高いバイブレーションに感応するようになっていただきたい。自分が決して宇宙で一人ほっちでないこと、いつもまわりに自分を愛する霊がいて、ある時は守護し、ある時は導き、ある時は補佐し、ある時は霊感を吹き込んでいてくれていることを自覚していただきたい。そして霊性を開発するにつれて宇宙最大の霊すなわち神に近づき、その心と一体となっていくことを知っていただきたい。そう願っているのです。」

 今私は年齢的・体力的にも多くのことは出来かねます。それでも地上に在るうちは、ほんの少しでも人々の役に立ちたいという願いを持って生きております。どうぞこの拙い文をお読みくださいました皆様が、それに続いてくださるなら、この上もない幸甚に存じます。