令和三年、明けましておめでとうございます。
昨年は世界中が大変な年で明け、終わりました。政治も経済も、私達の生き方をも左右したともいえる状況でした。
この様な時こそ、私達は何が一番大切なことなのか、どう生きなければならないのかを明らかにし、様々な情報という雑音に惑わされることなく、しっかりと腰を据えてまいりたいと思います。
私はスピリチュアリズムを知る前はヨーガを学んでいました。
20年ほど前のことになります。
インド中央政府公認のスワミ・ヴィヴェーカナンダ・ヨーガ研究財団による日本でのヨーガ・インストラクター/セラピスト養成講座を修了しました。
卒業後は看護師であるということもあって、クリニックで病気の人を対象としてヨーガ療法を指導していました。
その間、インドでのヨーガ修行にも参加し、それはそれで楽しい日々でした。
高度4000mでのヨーガ修行 背景はヒマラヤ山脈
ここで少しだけ、ヨーガについて解説をしましょう。
以下は私のYTIC卒業論文(2002年)からの抜粋です。
ヨーガの疾病概念
ヨーガでは健康と不健康とは全く異なる二つのものとしてではなく、健康とは個人のよりよい状態を表す一連の連続した機能であることを表している。
そして低いレベルを病気と言っているのである。
私たちは日常、さまざまなストレスに曝されているが、意思鞘における「好き・嫌い」の感情が増大し苦痛を感じる。ストレスはこうした心の状態を引き起こし、「アーディ(無知)」と呼ばれる状態になる。強い怒り、欲望、恐れ、嫉妬などで、自己制御不可能になると、身体の機能、及びプラーナの流れに著しい変調を来たし、身体は機能を発揮出来なくなる。こうした意思鞘の不調和は肉体レベル、すなわち食物鞘にまで影響を及ぼす。従ってストレスを上手にコントロールすることで、肉体、感情、プラーナの不調和を正すことが可能となるのである。
ヨーガの人間観
伝統的なヨーガ、及びウパニシャッド聖典では人間存在を『五蔵説』によって説明している。第1番目は最も粗雑な肉体レベル「食物鞘」であり、その次は「生気鞘」と呼ばれ、生命活動の根源であるプラーナによって支配されている。
3番目は「意思鞘」と呼ばれる心理的次元で、認知、分析、記憶、そして感情の働きといった心の機能を担う。4番目の「理智鞘」は識別能力、判断能力という性質を持ち、人間本来の特性との同調、つまり、完全なる健康状態を目指した人間的行動を遂行するという役割を持つ。「歓喜鞘」では、人は完全なる調和状態で自身が持つ全能力のバランスを保つことが出来、この状態は完璧なる制御能力、歓喜、そして不安を持たないといった性質によって特徴づけられる。
ある日、同僚のヨーガ教師が教室に「シルバーバーチの霊訓」を持参してきました。それを横目で見た私は“私にもそれを読ませてください!”と叫びました。 2冊借り、自宅へ帰るとそのまま貪るように読みました。本当に驚きでした。そして残りの10冊(潮文社刊~現在は廃業)を直ちに取り寄せ読みました。なんとそこには私の若い頃からの疑問の全てに対し応えがなされていました。
それからもしばらくはヨーガの指導をしていましたが、徐々に心不全が進行し、続けることが出来なくなりました。
ヨーガはインド5000年の叡智を有し、身体及び精神・魂を健やかに保つための数々の訓え・メゾットがあります。ただ、最も重要である霊的真理の核心部分の理解には至っておりません。
それでもヨーガは私にとって霊的真理の理解の為の貴重な入口となったことは事実であります。スピリチュアリズムと出会うのはたまたまや偶然ではありません。人それぞれ何らかの出来事・体験が契機となります。私の場合はヨーガによって深く眠っていた魂が揺り動かされ、目覚めへと導かれたのです。これまでは知ることの出来なかった心の深い世界、霊的世界への入り口となったのです。沢山のヨーガの知識そして体験を省略しての真理の理解はなかったであろうと今でも思っています。
このように人生で出会う様々な出来事、そして体験は実はとても意味があり大切なのです。どんな時も、目の前に現れた事象には全身全霊で当たることです。一生懸命であるということです。そうして時が来れば必ず、次なる段階へと導きがあることを私は断言いたします。
あなたに新しい展開が、喜びの時が来ることを心より祈念いたします。