一スピリチュアリストの声

10年前からスピリチュアリズムを学んでいます。まだ学びの途中でありますが、これまでに学んだこと、経験をふまえて綴ってまいります。                                                                                    

死生観を持つことの大切さ

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今回は現代西洋医学とホリスティック医学を概観しながら、死生観について書きます。

”死”は恐怖か?
    病気、特にがんと宣告されるなら、すぐさま“死“に直結させて落ち込み絶望を感じ、人生終わりと考えてしまう人がいます。死んだら自分という存在は消えてなくなってしまうのだろうか、あるいは死後どんな所へ行かされるのであろうか、愛する人と永遠に分かれ分かれになって仕舞うのだろうか、など不安は尽きません。
 多くの人達にとって“死“は恐怖です。今もその恐怖の中でもがいている人ははおられることでしょう。”死”とは何か?これが解らないままに人類は歴史を重ねてきました。医療界では“死“の問題は自分たちの関与する領域ではなく、宗教、僧侶や牧師のかかわる領域という認識できました.。

がんセンターに勤務する
 私は長年にわたり看護職に従事してきました。その間沢山の方の死に関わってきました。とくにがんセンターということもあって、がんで亡くなる方が殆どでした。その私自身も何度かがんに罹患しています。左右の乳がんと肺がんです。その他にも心不全に陥り、今も生活に制限がある状態です。若い頃からホスピスに関心があり、様々な勉強を重ねてまいりました。ホスピス病棟で働きたかったのですが、当時のがんセンターには残念ながらホスピス病棟はありませんでした。退職してからボランティアでホスピスの啓蒙や患者会の運営に関与して来ました。
 しかし、そこでの活動も限界を悟ることとなりました。というのも、宗教や魂に関することはタブー視されていたのです。がんに罹っているというのに死後の生や魂について語らない、とはとんでもない話です。ある時仏教の女性僧侶が会にやってきました。しかしその時、運営の責任者が次のように言いました。「今後はお出でにならないでください」と。また私は同時期にホリスティック医療にも関心を持ち学んでいました。
 現代西洋医学は病気を観ても患者を診ない、病気治療とは傷んだ臓器を元に戻すことという唯物的医療です。こうした人間を肉体のみとするとんでもない間違いを犯していますので、そのNPOも多分にもれず、その流れを踏襲していたのは無理からぬことでした。この頃、私はすでにスピリチュアリズムを学んでいましたから、そこでの仕事は出来ないと悟りそこを去ることになりました。

現代西洋医学の実体
 現代西洋医学は「唯物的人間機械論」を土台にしており、ただ寿命を長引かせることにその目的を置いています。そこには人間とはどのような存在なのかという視点が全くと言ってよいほど欠落しています。人間とは霊と精神と肉体から構成されているという視点です。ホリスティック医療については、その必要性が叫ばれるようになってから久しくなります。しかし現代西洋医学の世界ではなかなか受け入れようとしません。インフォームドコンセントセカンドオピニオンという言葉もすでに多くの患者たちは知っています。こうした中にあってもまだまだ患者たちは弱い立場に置かれ、医師主導のまま傷んだ臓器及び周辺のリンパ節を切除する拡大郭清術や過酷な抗がん剤治療を受けています。患者のQOL(生活の質)を保つという配慮がありません。食道がんの手術でも、前立腺がんの手術でも、どの部位のがんでも手術や抗がん剤による治療が行われており、身心に及ぼす侵襲は甚大なものがあります。
 医療者たちの考えには、「命あってなんぼのもの」ということが根底にあります。これはたとえ手術や抗がん剤治療によって辛かろうが障害が起ころうが、死んでしまっては元も子もないのだから”命のためだから全部我慢しろ”という事です。
医療というものは医師が主導すべきものであるという認識です。そうした雰囲気の中では、患者が自分の考えを述べると、医師は一笑に付すか機嫌を損ねます。それを忖度して患者たちはただ従うことになります。自分の思う事を率直に話せないのです。医療とはその人間の立場に立って、最善の治療が受けられるように配慮することが肝要ではないでしょうか。人間をトータルとしてとらえるなら、当然のことではないでしょうか。

ホリスティック医療の必要性
 こうした厳しく、且つ悲しい現実の中にも、気骨のある優れた医師は存在します。帯津良一という方でホリスティック医療の先駆者であり、日本ホリスティック医学協会会長をされて来ました。現在86歳になられます。志を持って埼玉にご自身の病院を作られ、現在は名誉院長をされております。治療内容は漢方薬・気功・鍼灸・食事療法、そして西洋医学をその患者に会うように組み合わせて行うというものです。
最近また彼の著書を読みました。「ガンに勝った人たちの死生観」という本です。“勝つ”という意味は必ずしも治癒することをさしているわけではありません。死を受け入れ自分に合った、あるいは自分の好む治療を選択し、穏やかにそして毅然として与えられた地上人生を全うする事を指しています。死んでもがんに負けたということにはならないのです。死生観を持つことで、がんに屈しないことを“勝つ”と表現しているのです。彼ら彼女たちは“死“を当然のこことして受け入れ、そして死後もすばらしい人生の旅を続けられるという希望をもつことが出来た人達なのです。
 次に著者が述べる死後の世界に関するファンタジーを紹介しましょう。同書の142ページから引用します。
「私達は、往路150億年、復路150億年、つまり300億年の循環の中に居るのですから、死は小さな通過点にすぎません。肉体を離れた私のエネルギーはたくましく、死を突き抜け光の中を新しい世界へと旅だって行くのです。これが私の思い描く死生観、死後の壮大なファンタジーです。好奇心の強い私は、自分の死後の150億年の未知の世界への冒険旅行を考えるだけで、胸がワクワクしてくるのです。」
 このような心で患者さんたちに向き合い治療を行っておられます。どの様なファンタジーを持つか、300億年の循環というのは本当か、という問題は依然として残されておりますが、死後の世界への希望を示せることはとても大切なことと思います。

スピリチュアリズムによる本当のホリスティック医学
 死後の世界を認めない、死んだら全て終わりだ、という前提のうえで繰り広げられる現代西洋医学の世界に身を置かざるを得ない私達患者は、実に息苦しく魂は窒息しそうです。辛く苦しい治療が好む好まないに関わらず展開していくことになるからです。
 ホリスティック医療はその問題を解決してくれる第一歩となります。しかし、現時点でのホリスティック医療はまだまだ乗り越えなければならない関門が幾つもありますから、これで一安心というわけにはいきません。そもそも人間とはどのような構成になっているのか、健康とはどのような状態をいい、病気とは如何なる状態か、ここの出発点があいまいのままでは、先へは進んでは行けません。

 スピリチュアリズムがこの地上で展開されるようになってから170年程たちますが、シルバーバーチという進化した霊が膨大な量の通信を送ってくれています。これにより、これまで人類が知ることの出来なかった霊的真理を知ることが可能となりました。これからこの混迷せる医学界を、真のホリスティックなものへと変えてゆくことが出来るようになることでしょう。希望があります。

自衛の手段~賢い患者になる
 理想を現実のものとするまで、ある程度の期間が必要でしょう。そんな今、私達は自衛の手段を構じなければ現代西洋医学の泥のなかに引きづり込まれることになります。常々申し上げていることですが、”賢い患者になりましょう”、ということです。医師の言う事を鵜呑みにせず、解らないことがあれば何ら恐れることなく質問することです。それでも疑問が残るなら、信頼のおける人物に相談することです。セカンドオピニオンを活用することも出来ます。その他の社会資源を活用することも出来ます。
 こうした対処の仕方はなにも健康問題に限ったことだけではありません。人生全般における生きる姿勢にも当然当てはまるのです。自分の人生は自分で切り開くのです。もちろん有る意味での運命、というか宿命は存在しますが、そのなかにあっても出来ることは在ります。せっかくこうして恵まれた日本という国に誕生したのですから、精一杯出来ることをして参りましょう。理論や具体的な方法は「ホリスティック医学入門&ホリスティック健康学入門」ホリスティック医学・健康学研究所刊をご覧ください。必ずあなたのお役に立つことを保証します。皆さまの光溢れるこれからの人生を祈念して、今回の記事をを終わりとさていただきます。

 参考・引用文献
「ガンに勝った人たちの死生観」 主婦の友社 2004/04/01 帯津良一
「ホリスティック医学入門&ホリスティック健康学入門」ホリスティック医学・健康学研究所刊 2021/10/01
  [見えない世界の科学が医療を変える」 でくのぼう出版 2015/05/21 長堀 優 
「やはり死ぬのはがんでよかった」 幻冬舎 2021/03/25 中村仁一